Panasonic

旧・松下電器産業。 豆知識・光学ドライブでの松下のローマ字表記はMATSHITAという省略表記になる。

Panacom M353HD

Panacom M353 シリーズでSCSI HDD を内蔵しているのでM353HD という型番をもっている。 Panacom Mシリーズが富士通FMR-50系と同じアーキテクチャのシリーズで、M353 はその中でFMR-50系のラップトップ型互換機ということになる。 松下電器産業がFMR-50系のアーキテクチャに合わせて設計・製造して、富士通にOEMしてFMR-50LTとしても発売された機種のようだ。 CPU は80286 8 MHz。メモリはメインメモリに見えるDRAMが基板上には1 MBytes 分見える。 FDD/HDDをそれぞれ一台ずつ内蔵している。
Panasonic Panacom M353 (Panacom M353HD) 左側は電源スイッチ 右側はFDD 背面には拡張スロットもある。

元オーナー情報として、この機種はBTRON1 系のETマスターという実装で動かしていたとのこと。 教育用にPanaCAL ET というPanacom M530ベースのBTRON機が松下から出ていた [narapress.jp]ことの関連で、同じ実装がこの機種でも動かすことができていたらしい。 この機械にはTron project open architecture, Tron show '90のステッカーが貼ってありTRON 愛を感じるカスタマイズになっている。
Panasonic M353HDの蓋を閉じたときの様子

基板は本体底面全体を覆う大きさで、全体的に松下製のLSI が多数使われている。 内蔵HDD はSCSI接続3.5 型で、富士通M2616ESA (100 MBytes)が搭載されていた。 外部向けにSCSI端子はないが基板端まで信号は来ていて内部用のコネクタも実装されている。 80286の横にあるキーボードコネクタCN8とSCSIコネクタの間のパタンが一部腐食しており、1箇所導通していなかった部分を修正済。 電源ユニットは松下のプライドを感じる作りで、電解コンデンサがほぼすべて松下製。 残念なことに、マザーボード側へと連絡させるためのコネクタ端子が破断しているのでここを修正中。
Panacom M353HDの基板

Panasonic Letsnote AL-N1

初代Letsnoteらしい [panasonic.biz]。 プロセッサはPentium (P54C; 0.35 μm) 133 MHz (66 MHz×2.0)。 チップセットはOPTi 82C557M Viper-N+で、ビデオチップはChips & Technologies 65550, VRAM 1 MBである (System Speed Testの結果)。 画面は800×600で、この解像度だと16-bit colorまでしか出力できない。

FDDは外付けで、専用品AL-NFFEはコネクタ形状はThinkPadと同じだが、互換性はないとのこと [garakutaen.sakura.ne.jp]

不思議な点は、起動時のメッセージで

(C) COPYRIGHT IBM CORPORATION 1987, 1995
ALL RIGHTS RESERVED

Copyright (C) Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 1997

という表示が出るところ。 互換BIOSメーカーではなくIBMと直接交渉したということなのだろうか。

バッテリは2本内蔵していて、それぞれが10.8 V/1.2 Ahという平和な感じのもの。
Panasonic AL-N1 左側面; PCMCIAスロット×2 右側面; 音声入出力と電源スイッチ Panasonic AL-N1 back

Panasonic Letsnote CF-S10E

Intel Core™ i5-2540M (2コア4スレッド, 2.60~3.30GHz)を搭載した12インチのノートパソコン。 2014-04-26に回収した。 CentOS 6.5で使っても、蓋の開閉に応じてスリープ・スリープ解除できる (CentOSでのハードウェア情報)。 バッテリの持ちが非常によいのと、イーサネットコントローラがIntelのe1000eで動くものなのが良い点だ。

悪い点は、NAS Parallel Benchmarks (流体系のベンチマーク)を4スレッドで動かしていると、システムログに温度上昇のためCPUクロックを落としました、といったメッセージが書き込まれるところ。 暫くして冷めるとクロックを戻した、というメッセージが書き込まれる。 まあプロセッサのTDPは35Wで [ark.intel.com]、例えばデスクトップ用Pentium®III 933MHzの27.3W [ark.intel.com] よりも高いので、許してあげよう。 このクロックのスロットルがかかる問題、ラストレベルキャッシュが3MBしかない点、内蔵グラフィックでメモリバンド幅を喰われるなどの問題により、シングルスレッドのワークロードでも、最大クロックが若干低いHP EliteBook 8460w (i7-2630QM, 2.0~2.9GHz)の9割位の性能しか出なかった。

なお、上記発熱問題はBIOS SetupでTurbo Boostを無効化するとある程度改善した。

他の特筆すべき点は、この世代としては珍しくExpressCardではなくPCMCIAスロットが搭載されていることと、UEFI起動に対応していてもおかしくない世代だがこの機種では非対応なことだ。 ケース右側には4ピンのFireWire端子形状の穴がゴムで埋められている部分がある。

電源アダプタは古いThinkPadの16Vのものが使えるが、最大で65W前後消費するため、古すぎるものだと急に電源が落ちる。
Panasonic CF-S10E