NeXT Computer

某所にインターンに行った際に、親切な上司の方が「NeXTを持っている」ということを言っていたので、時間をおいて2回貸してもらえないか交渉したが、貸してもらえなかった。 そして私はNeXTを諦めかけていたのだが、2013-12-08に別の方から3台のNeXTstationを戴いた。 諦めなくてよかった!!

NeXTstation Turbo

白黒グラフィックのワークステーションで、33MHzの68040を搭載。 メモリは64MB搭載。 裏側にはModel No: N1100と書いてある。
NeXT Computer, NeXTstation Turbo (N1100) system module back of N1100 internal structure

キーボード・マウスはADBで、以前Quadra 800でNeXTキーボードを使っているのも見たことがあるので、Macと互換性はあるようだ。 キーボードの型番はN8001-3658, マウスはN8003と裏側に書いてあった。 キーボード側のADBコネクタはロックできるように改良されていて、緑色のボタンを押さないとケーブルが外れないようになっている。 このキーボードはコマンドキーが縁に配置されているのが変わっている。
NeXT ADB Keyboard (N8001-3658) NeXT ADB Mouse (N8003)

特徴的なのは画面の接続で、NeXTstationとディスプレイを専用ケーブルで接続し、ADBや音声入出力は画面側に存在することだ。 モニタの電源も本体側から供給される。 どうやらこの辺はジョブズのおじさんの趣味のようで、後のADCも同じコンセプトの規格だ。 MegaPixel Display (型番N4000B)はさすがに年をとってしまって、輝度がかなり落ちてしまっている。
Back of NeXT MegaPixel Display (N4000B)

MegaPixel Display以外のモニタを使う人のためなのか、Sound Boxというのがある。 本体側から分岐ケーブルでCRTとSound Boxに接続でき、普通のCRTには存在しないADBや音声入出力ポートを利用できるようにする、というものだと思う。 Sound Boxは箱入りのものをいただいた。 この箱はヤマト運輸の「パソコン宅急便」のように、ビニールの膜にSound Box を挟むような構造になっている。
NeXT Computer, Sound Box back of Sound Box Box of the Sound Box

NeXTstation Turbo Color (#1)

カラー対応版のNeXTstation。 裏側にModel No: N1200 Part No: 3005と書いてある。 白黒版と異なり、画面出力のコネクタが13W3になっている。

キーボードコネクタは本体側についていないので、13W3コネクタにYケーブルを接続し、サウンドボックスを経由して接続すべし、という天の声をいただいた。 この辺の事情はNetBSD/next68k [netbsd.org]のページが詳しい。 ただ、このYケーブルのモニタを接続する端子が13W3Mなので、モニタ直結を想定しているようなのだが、Yケーブルは結構短い。 NeXTstationはSync-on-Greenの信号を出力するとのことで、対応モニタが必要になるが、私は13W3-BNC BNC-VGA という風に2本の変換ケーブルを、R,G,BのBNC端子のみで連結し、VGA側をNEC LCD1860NXに接続することで表示が確認できた。 なお、NetBSDのページによれば、サウンドボックス次第ではNon-ADBのキーボードも接続できるようだ。
NeXTstation Turbo Color Back of NeXTstation Turbo Color NeXTstationの接続例 Screenshot

基板は白黒版と似ている。 CPU以外の主な実装部品は Intel N82077AA, Motorola MC88915FN70, Motorola SC38TG011CN04, Motorola SC38SG009CN01, TI TMS27C010A-20, Motorola DSP56001FC27, Motorola MCM56824AFN35, AMD Am85C30-16JC, NCR 53C90A, Bt Bt463KG110, 12×Mitsubishi M5M442256AL。 メモリはパリティ有り.
NeXTstation Turbo Color PCB VRAM on NeXTstation Turbo Color

NeXTは電源ケーブルにも本体と同じようなデザインを施してあり、ギザギザとNeXTロゴがケーブル両端にある。
NeXTの電源ケーブルのデザイン

NeXTstation Turbo Color (#2)

1台目との違いは、裏側のラベルにModel No: N1200とだけ書いてあって、P/Nの記載がない点。 1台目の写真のマザーボードに空き部分が多いのは、ハードディスクやFDDはマザーボードの上に実装されるため。 こちらは現状、System test failedと出力され起動しない。 NeXTstation TurboがN1100, Turbo ColorがN1200ときて、N1300は代理店であるキヤノンから出ている
NeXTstation Turbo Color Bottom of NeXTstation Turbo Color Internal structure System test failed

キヤノン N1300

白NeXT呼んでいる人がいる [archive.org]のは非公式なあだ名なのかな、と思っていたら、公式サイトにCanon NeXTstation (白NeXT、Canon N1300)という記述があった [archive.org]2013-12-08に戴いた。 どうやらキヤノンがNEXTSTEP for Intelを入れて販売していたワークステーションのようだ。 NeXTstation TurboがN1100, Turbo ColorがN1200なので、それに続く、という意味っぽい。 EISAが2スロット、ISAが1スロット、PS/2キーボード・マウスポート、プリンタ、2×シリアル、50p SCSI、VGA出力が使える。 Intel 82350DT チップセットとATI mach32, Adaptec AIC-6360Lが主な構成部品。 なんというか、82350DTはやたらチップ数が多い。 ちなみにCanon NeXTstationはIntel社のマザーボード(Professional/GX)を使用しております [archive.org]とのこと。

現在電源ONしても画面が出てこない。 基板上のDS1287に封入された電池は0.5Vしかなくなっていて、これは交換した。 基板をよく見ると、アルミパッケージの表面実装の電解コンデンサの足の様子がおかしいことに気づいた。 試しに一つ外してみると、電解コンデンサで事件が起きたとき特有の匂いがした。 このタイプの故障した電解コンデンサを基板を傷めずに外すには、大きめのニッパで上半分を切った後、基板に足を残して下半分とプラスチック製のキャリアを取り除き、最後にハンダごてを使い足を撤去すると良い。 この基板で使われていたのはすべて25V/22μFのものだ。 交換したが、変わらず画面は同期しない。
Canon N1300 back motherboard board map