Intense3DはIntergraphのグラフィック部門のスピンアウトで、後に3DLabsに買収されている。
元々はIntense 3D
はIntergraphのグラフィックカードのブランドだったようだが [archive.org]、後に会社名としても使用されたっぽい。
このページではIntergraphとIntense3Dのカード両方を扱う。
IntergraphのSystem Reference ManualのいくつかにカードP/N (MSMT***)とカード名の対応が書いてある。 マニュアル類のリストはSYSTEM DOCUMENTATION INDEX [archive.org]でPDFのファイル名を探し、そのファイル名をintergraph.comで検索すると今でも閲覧できる。 下表は随時追加中。
P/N | Graphics Card |
---|---|
MSMT302 | Lynx II Geometry Accelerator |
MSMT382 | Lynx III Geometry Accelerator |
MSMT411 | RealiZm II VX25 Graphics Card |
MSMT415 | RealiZm II ZX25 Graphics Card |
MSMT447 | Intense 3D Pro 2200S |
MSMT492 | RealiZm II Geometry Accelerator (Lynx 3) (MSMT382と異なる?) |
MSMT493 | RealiZm II Geometry Accelerator (Lynx 4) |
MSMT496 | RealiZm II VX113A Graphics Card |
MSMT613 | Intense 3D Wildcat 4105 |
MSMT661 | Intense 3D Wildcat 4110 |
Philips SAA7199B/SAA7191Bが載っているEISA風カードエッジのビデオ入出力ボード。
左上の50-pinのコネクタにはDigital Video
というシルクがある。
フレームグラバの類のはずだが、詳細不明。
Weitek Power 9100搭載のグラフィックボード。
KM428C256J-6 を16チップで、合計4 MBytes のフレームバッファを搭載している。
Weitek Power 9100 チップ搭載カードは搭載メモリが2 MBytes のものと4 MBytesのものがよくあるので、その中では多いほうだ。
GLZ1TはOpenGL/GDI対応のPCIボードセットで、Rasterization Accelerator/Frame BufferでGouraud shading, antialiased vector, Z buffer機能などがある [4]。
雑誌Byteの1995年9月号に記載があり、GLZ2 の下位モデルで、対応解像度が1152×864まで [6]。
T
で表現されているようにテクスチャ機能付きのモデルで、8 MBのテクスチャメモリがあり、mipmapping, trilinear interpolationに対応している。
テクスチャメモリは2 MBずつ、RGBAの4チャネルそれぞれのTexture Processor ASICに内蔵されているとのこと。
このボードはVGA機能が無いので、ループバックケーブルでVGAの出力をボードのMUXに入れてやる必要がある。
GLZ2はRasterization AcceleratorとFrame BufferからなるPCIベースのボードセットで、Gouraud shading, Antialiased vectors, Z bufferほかの機能がある [3]。
雑誌Byteの1995年9月号にレビューがあり、TDZ-40 (Dual Pentium-100) などTDZシリーズのワークステーションに搭載されるかたちで販売され、GLZ1 や外付け型のGLZ6 は対応解像度やメモリ容量のバリエーションということになる [6]。
PCIボードだが、何をするためのものなのか不明。
Aptos AP9A437-25QCが4つ並んでいるが、これは単なるFIFOらしい。
FIFOの上にあるヒートシンクが載ったチップが怪しい。
GLZ1TとGLZ2のマニュアル [3]にはGeometry Accelerator option board
という記載があり、FIFO status cable
で接続するとのことなので、型番的にもGLZ2用のジオメトリボード、かもしれない。
QFPのAnalog Devices ADSP-21062というSHARC DSPを7個搭載したジオメトリ・アクセラレータ。
ちょうどLynx 4を半分にしたような構成で、カードあたりの性能は半分のPeak 840 MFlops, sustained 506 MFlopsということになる。
Intergraphからは1996年にこのボードの処理方法についての特許が出願されている [5]。
QFPのDSPを使っているので実装面積が大きく、Lynx 4の半分のDSPチップ数ながらカードの大きさは同じである。
MSMT302 (Lynx II)とほとんど同じ。
使っているDSPもADSP-21062で共通だ。
Vertex Data Busのコネクタのアングルが異なる。
また、Lynx IIには存在しないバッファとして、部品面に東芝TC59S1616AFT-10が2チップ搭載されている。
見た目のインパクトが非常に強い、Analog Devices ADSP-21062LというSHARCシリーズのDSPを14個搭載したジオメトリ・アクセラレータボード。
正気の人はこういう基板はなかなか設計できないような…
このDSPは一個あたりpeak 120 MFlops, sustained 80 MFlopsなので、このカードの性能はこの14倍で、それぞれ1.68 GFlops, 1.12 GFlopsということになる。
カード上部のコネクタ(Vertex Data Bus)でRealiZm II系のカードと接続する。
WindowsのデバイスマネージャからはIntense3D L4 Geometry Accelerator
という風に見える (スクリーンショット)。
PCIのvendor ID:device ID=0x1091:0x00a4で、pci.idsには登録がないボードだ。
Intergraph TDZ 2000 GX1のマニュアルにこのカードをどのスロットに刺せば良いか書いてあるので、RealiZm II VX113Aと一緒に刺してある。
AGP接続のRealiZm II。
RealiZm IIシリーズでは唯一のAGP対応カードで、1.3メガピクセル解像度までの出力が可能 [1]。
ZiiLabsで配布されている最新のドライバを用いると、Windowsの画面のプロパティ
の詳細
からはRealiZm II VX113A-GT
と認識される一方、デバイスマネージャではIntense3D 34x0
の表示になる (スクリーンショット)。
商標関係の複雑な問題がありそう。
PCIのベンダID:デバイスID=0x1091:0x0780で、Linuxのlspci
だとこのカードはIntergraph Corporation Intense3D Wildcat 3410 (MSMT496)
と表示される。
Intergraph TDZ 2000 GX1のマニュアルにはこのカードの記述があるため、TDZ 2000 GX1にLynx 4と一緒に刺してある。 起動時のBIOS表示用にCirrus LogicのVGAチップCL-GD5440が載っているが、この部分は素のVGAで、VESA BIOS Extensions (VBE)に対応していないこともありLinuxからはコンソール表示に使うとしても解像度が上げられなくて不便だ。 3DのドライバがNT用しかないこともあり、このボードはWindows NT4かWindows 2000で使うのがおすすめ。
Wildcat 4000とセットで使われるジオメトリアクセラレータ。
AGP接続。
RealiZm II用のLynx 4では汎用のDSPを力技で14個並べているのに対し、Lynx 5では専用ASICでシングルチップ化されている。
スループットはLynx 4の2倍の3 GFLOPSに向上した。
Wildcat 4000ではRealiZm IIと類似の、ジオメトリとラスタは別ボードの構成だが、このようにジオメトリがシングルチップになったことで、Wildcat 4000のシングルボード版とでも言うべきWildcat 4105が実現された。
RealiZm IIとの差異は少ないが、Lynx Vジオメトリ・アクセラレータが標準添付になっている。
写真のボードセットではMSMT526がネジ留めされており脱着できないが、脱着できるものもある。
普通の神経だとAGP側にラスタライザを持っていって、メインメモリからのテクスチャ転送を速くしたくなるが、このボードセットではAGP側にジオメトリエンジン、PCI側にラスタライザが載っている。
テクスチャメモリが十分にあるこういうボードだと、一度転送すれば済んでしまうので、そこは問題にならないのかもしれない。
この世代まではIntergraph Computer Systems
のロゴがシルクされている。
Wildcat 4105をはじめ、この次の世代のボードからはIntense3D
ロゴがシルクされるようになり、Intergraphロゴは見られなくなった。
Wildcat 4105は、1.3 メガピクセル (1280×1024)までの解像度の出力に対応したAGPカード 。
RealiZm IIシリーズではジオメトリがオプショナルであったが、Wildcatシリーズではジオメトリ用に専用のASICがついてくる。
ParaScale [archive.org]と呼ばれる並列動作が可能なアーキテクチャを採用している事を大きく宣伝しているが、このボードの構成では、RealiZm II VX113Aと比べて純粋にジオメトリのチップが増えて、その代わりVertex Data Busのコネクタがなくなっているだけに見える。
このジオメトリチップのスループットは3,000 MFlopsで、Lynx IVの2倍近い。
他の変化としては、VGAがCurrus Logicを改めChips&Technologiesになったこと、RealiZm IIに比べてヒートシンクの背が高くなっており、2スロット占有するようになったことが挙げられる。
AGP Pro用のボード。
型番が近いMSMT613 Wildcat 4105とはチップ構成が異なり、ラスタライズ用のチップセットがシングルチップになっている。
Windows2000用のドライバもWildcat 4105までと4110以降で異なるパッケージになるので、発売時期・システムアーキテクチャにそれなりの違いがありそう。
このボードではDVI出力も使えるため便利だ。