Evans & Sutherland (E&S)は、ユタ一派 [osu.edu]の親分2人の怖い会社だ。 会社はもちろんソルトレイクシティーの、しかもユタ大のそばにある。 サザーランドは、1960年代に現在まで続くコンピュータグラフィックスの理論と実装を確立した人で、Sketchpad [1]が有名。 Jim ClarkもFuchsもユタ一派なんだなあ…怖っ
近代的なグラフィックカードメーカーとしてのE&Sはいくつかの源流がある。 まず、Ardent, Stellerが1989年にStardentになり、このStardentはクボタと資金的・技術的なつながりが深い [hollasch.net]。 Kubotaのグラフィック部門をAccelGraphicsが1994年に買収している [archive.org]。 このAccelGraphicsをE&Sが1998年8月に吸収している [archive.org]。 ArdentはTitan (1989ごろ)が有名で、このシステムはいわゆるGTX-SD [4]の「ラスタだけハードウェア」なのだが、オプション扱いのジオメトリをやるGAボードで2D FFTをやってみましたよ、という記述があり [3]、GPGPUの先祖と言うことができそう。 StellerはGS1000 (1988ごろ)が有名で、これは単一のメモリバスにジオメトリ、ラスタ、ホストCPUをつないでページングも使えます [2]、ということで、UMAのかなり完全な形を実装している。 Stardent/Kubotaのi860ワークステーションTitan Vistra 800は私も持っている。 このページでは、AccelGraphicsとE&Sのアドイン型のグラフィックカードについて記述する。
datest corp
, 32Z 155-0185-01 05539 Rev. B
というステッカーが貼ってあり、シルクには32ZPCI BOARD FAB: 255-0102-01 REV A
と書いてある。
裏面にはFCC ID: L7J32ZPCI
と書いてある。
調査によると、このボードはAccelGraphics のいうところのAG300だ (AccelGraphicsの製品紹介ページ [archive.org])。
アナウンス当初の1994年にはKubota Graphics Corp. ActionGraphics 300 という品名で発表されていて、1995年のAccelGraphicsの広告でもActionGraphics 300と呼ばれている。
RAMDACはBt495KHF135, TC528257J-70 ×20 <5 MBytes>, はんだ面にはNEC D42S4260G5-70-7JF ×5 <2.5 MBytes>が載っている。 このDRAM, VRAMのレイアウトは正気とは思えないな。
三菱の3DPRO/2mpを使っているボード。
AccelECLIPSEのスペック表とAccelECLIPSE II [archive.org]のスペック表を比べても、違いがわからない。
日本の代理店のページ [archive.org]を見ても、AccelECLIPSE II
は見つかるもののAccelECLIPSE
の情報が見つからない。
フレームバッファに3DRAMを、テクスチャにCDRAMを使うアーキテクチャはREALimage系の特色で、このボードもこのメモリ構成になっている。
取り外せるモジュールに載っているのがCDRAMだ。
後の世代のREALimage系のボードと異なり、このボードはCirrus LogicのVGA, CL-GD5446BVを搭載している。 このチップは起動時にBIOSの画面を表示するためだけについていて、何とも悲しいチップだ。 AccelGALAXYを代表とする後の世代のカードでは、VGAエミュレーションソフトウェアの開発が終わり、REALimage側でエミュレーションしていて、こういうチップは存在しない。
基板にシルクでSPITFIRE
と書いてあるので、もともとそう呼びたかったのかもしれない。
三菱製造のチップセットのグラフィックボードに連合国側の戦闘機の名前をつけるのはおかしいからSPITFIREは廃案になったのか?
枢軸国側への配慮か?
GLINT 500TX + GLINT Delta TXのPCIグラフィックカード。 Intel, AlphaのWindows NTに対応している [archive.org]。 VGAでのコンソール表示はALG2064で行う。 VRAM 8MB, DRAM 8MB で、テクスチャマッピング機能があり、最大1280✕1024で1677万色表示対応。
基板にはACCELGRAPHICS INC. © 1996 FALCON BOARD 225-0107-01 REV B
裏側にはFCC ID: L7JPR0PCI
と書いてある。
ラベルは5064-0241 REORDER P/N 5064-0296
とある。
AGPのグラフィックカード。
部品面にはシルクでEVANS & SUTHERLAND REALimage 2100
と書いてある他、赤いE&Sのステッカーも貼ってある。
P/N: 5064-9190.
冷却ファンが載っているチップは型番が読めないが、他にはREALimage E&S PC-2000
と書かれたチップと、RAMDACのTI TVP3026-176BPCEが載っている。
フレームバッファの3DRAMは三菱M5M410092BRF-10を12個搭載で、合計の容量は15 MBytesである。
テクスチャ用っぽい8×M5M4V16169DRT-10は合計8 MBytesだ。
この構成は、AccelGraphicsの商品紹介ページ [archive.org]によるとOEM Only
とのことで、このシリーズでは最小の容量である。
REALimage 1200を載せたAGPボード E&Sの商品ページ [archive.org]。
このボードもジオメトリはホストCPUを使うタイプのもの。
REALimage 1200は、REALimage 2100と比べるとフィルレートが90 Mpix/s→70 Mpix/sと性能が下げられた、エントリレベルのチップセットということになる [archive.org]。 脱着可能な感じのモジュールにメモリが載っているが、これは三菱M5M4V16169RT-15というCDRAMが載ったモジュールMH4V329XTJ-15なので、その辺のメモリモジュールと交換、というのはできない。
3Dlabs系のチップセットを使ったAGPグラフィックカードで、2 GFlop/sのジオメトリアクセラレータ GLINT Gammaおよび2× GLINT MXを搭載している [archive.org]。
フレームバッファは16 MBytes, テクスチャは80 MBytesとかなりメモリ容量が大きい。
解像度は1920×1200まで表示できる。
ボード上にはPermedia 2vの姿も。
Graphics processing on a graphics supercomputer,in Computer Graphics and Applications, IEEE , vol.9, no.4, pp.56–62, July 1989. doi: 10.1109/38.31464
The Silicon Graphics 4D/240GTX superworkstation,in Computer Graphics and Applications, IEEE , vol.9, no.4, pp.71–83, July 1989. doi: 10.1109/38.31466