Raspberry Pi シリーズ最初のボード。
BCM2385 に乗っているアプリケーションコアARM1176JZFはarmv6 命令セットの700 MHz動作であり、当時としてもあまり使いたいボードという感じではなく、Beagle Board を始めとするarmv7 命令セットが使えるボードの方が便利と思った。
ところが、コストが低いこのボードは非常に人気が出て、ソフトウェアとハードウェアの両面で活用が非常に簡単になり、必ず持っているべき一枚となったのであった。
初期ロットはメモリが256 MBytesだったのに対し、この個体は2012-Oct-15以降出荷の512 MBytes 搭載版で、十分な容量があるため非常に使いやすい。
二代目以降のRaspberry Pi と異なりコンポジットビデオ出力があり、SD カードは切手くらいの大きさの標準サイズのものを使う。
初代Raspberry Pi はUSB ポートが基板端から飛び出していたり、SD カードが奥まで入らなかったりして、標準ケースも変な形になっている。
このケースはRS Electronics のロゴがある。
SoC がBCM2386 になった2代目のRaspberry Piでは、4 コアのCortex-A7 コア(900 MHz)と1 GBytes のメモリを搭載している。
SD カードスロットはmicroSD カードスロットになった。
初代と同様に非常に人気が出たボードで、多くのLinux ディストリビューションやRISC OS が動く。
実装面では、初代ではDRAM がPackage-on-Package (PoP) で実装されていてCPU の型番が見えなかったところが、DRAM がハンダ面に実装され、部品面にCPU が実装されるようになった。
オフィシャルケースはPi 3と同じようなデザインだが、LED の位置が違うのと、上蓋の爪の形が異なる。
三代目Raspberry PiはBroadcomのARM系のSoC BCM2387が載っている。
このSoCはCortex-A53コア×4搭載で、ハードウェアとしてはAArch64が使えるようになったものの、公式のLinuxディストリビューション Raspbian は旧世代のRaspberry Pi と同じイメージが動く。
製造はElement14のものとRS Componentsのものがあり、この個体はUK製のRS Components製のもの。
この世代からオンボードで無線LANとBluetoothが搭載されているのも重要な点。
電源はMicro-USBで5 V 2.5 Aを供給する必要があるので注意が必要。
このシリーズは非常に人気のあるボードなので、ケースはカワイイものがたくさんある。
自分は円高のときにプールしておいた米ドルを使ってAliexpressから個人輸入でしたので、Element14製の公式ケースと2.5 Aの電源を含めて4,200円前後の出費で済んだ。
OSはLinuxの他、RISC OSとMS-Windowsが動く。 LinuxのAArch64サポートに関しては発売当初工夫が必要だったが [1]、OpenSUSE が先行し他のディストリビューションも徐々に使えるようになった。 人気のあるハードウェアはこういうあたりが非常に都合よく便利に進む。